<学習者情報を手に入れる>
「日本語学習者」ってどんな人?学生?社会人?教室で?一人で?勉強する目的は?
日本語を勉強する人というのは、実に様々です。どんな人を対象にどんなところで教えるかによって、教え方も違ってきます。教えることになったら、次のようなことを考えてみましょう!
1. 学習目的
どうして日本語を学びたいのか、どんな日本語を学びたいのか、学習者に聞いてみましょう。教育機関で教える場合は、その学校にどんな学習者がいるのか確認しておくといいでしょう。
例えば・・・
日本人と友だちになりたい!学校で日本語を勉強したことがあるんだけど、まだ上手に話せない。日本人と日本語で話したい。
親が日本語を勉強しろって言うから・・・。
特に目的はないんだけど、日本語ってかわいい!
私は旅行が好き。だから、将来、日本語ガイドになりたい!
日本のアニメやドラマが大好き!日本のファッションやJ-POPも。だから、いつか日本に行ってみたいな。
会社に来る日本人とあいさつができて、簡単な会話ができるようになりたい!読んだり書いたりはできなくてもいいかな。
日系企業に勤めているので、日本語が必要!でも、まだ会議で日本語がわからないことがあったり、メールを書いたりすることが苦手・・・。もっと上手になりたい。
2. 学習者の日本語力
初めて日本語を勉強する人も勉強したことがある人もいます。勉強したことがある人の場合、次のことを聞いてみましょう。
a. 何年ぐらい勉強しましたか。週に何時間ぐらい勉強しましたか。
b. どこで勉強しましたか。学校で勉強しましたか。自分で勉強しましたか。
c. どんな教科書で、どのあたりまで学習しましたか。
d. 日本語能力試験(JLPT)を受けたことがありますか。
・勉強を続けてもっと読んだり書いたりできるようになりたいという場合、簡単な自己紹介文を書いてもらうと、ある程度の日本語の力がわかります。
⇒ 「タイで受験できる外国人のための日本語テスト」へ
3. 学習の条件
学習者にいつ、どこで、どのぐらい勉強する(=教える)ことができるか確認しましょう。自宅でも勉強することができるかによって、教える際に宿題や予習を前提とするかが変わってきます。
日本語に関係のある教科書、辞書、参考書など、パソコンが使えるかどうか、CDなどが聞けるかどうか聞いてみましょう。
4. 教える内容、教え方
(1) どんな内容を教えるか考えます。
・教育機関の場合、教科書が決まっている場合も多いです。日本で手に入るものなら予め購入して学期の計画を考えてみましょう。教師用指導書やタイ語の文法説明があるものもあります。
・教材を自分で決めなくてはいけない場合は、主教材を1冊決めて、その内容に沿って教えてみるといいでしょう。教科書を選ぶ際には、(1)の学習目的や(2)の学習者の日本語力に合っているものを選びましょう。
・タイで出版されている教科書もあります。教材については、こちらをご参照ください。
(2) どれぐらいの頻度でレッスンをしますか。1回にどれぐらい進みますか。テストは?
・どれぐらい勉強すると、どんなことができるようになるか計画を立てて、それをはじめに学習者に伝えておきましょう。学習状況を見て、途中で変更があることも伝えておくと教師も学習者も安心です。
・テストはあるか、ある場合、いつどのようなテストがあるかも学習者に伝えておきましょう。
(3) どんな教え方をしますか。
・タイ語や英語など、先生と学習者の共通の言葉を使って説明しますか。あるいは、日本語だけを使って教えますか。タイでは、インターナショナルスクールのような特別な機関を除いて、英語を使って説明することはむずかしいかもしれません。タイ語がわからない場合は、タイ語訳のついた教材を選択したり、絵教材などを効果的に活用したりするなどの工夫が必要でしょう。
5. もっと日本語を教えることを学びたかったら・・・
(1) 日本で学ぶ
日本には、日本語教師になりたい人のための養成講座がたくさんあります。時間があればそういうところで勉強してもいいでしょう。通信講座もあります。また、日本語教育について学ぶことができる大学や大学院もあります。
⇒「3-3.体験談あれこれ」へ
(2)タイで学ぶ
⇒「3-2. もっと教えることを学びたい」へ
(⇒「3-3.体験談あれこれ」へ)