大学卒業後、一般企業で6年間勤務。一生続けられる仕事として日本語教師を考え、退職してカナダへ約半年間の語学留学。帰国後に日本語教師養成講座(通信課程)を受講し、日本語学校に専任講師として就職した。
帰国後一年目に日本語教育能力検定試験に合格し、大学院に入学。大学院修了後は非常勤講師、任期付きの講師を経て国際交流基金の日本語教育専門家としてタイに赴任。
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大学では教育学部で心理学を専攻。当時は日本語教師という仕事があるということすら知りませんでした。卒業後、一般企業に就職し、6年間勤めました。在職中、一生続けられる仕事として日本語教師を考え、英語が大の苦手だった私はまずは外国人を怖いと思わないようにしようという非常に可愛い(?)理由で、退職してカナダへ約半年間の語学留学をしました。帰国後に民間の日本語教師養成講座(通信課程)を受講し、運良く地元の日本語学校に専任講師として就職することができました。とはいえ、通信講座で知識的に学んだだけで、実習も受けたことがなかったため、教師になっても全く自信がなく、毎日教師用指導書とにらめっこをし、先輩教師に相談して、何とか授業をこなしていくという状況でした。その年に日本語教育能力検定試験に合格し、仕事の可能性を広げようと大学院を受験しました。試験は日本語関係および英語の筆記試験と面接でした。
大学院時代は、私たちが1期生で相談する先輩がいなかったこと、自分が知識的にも経験的にも未熟であったことから、非常に不安でかなりのストレスがありましたが、日本語の意味論で修士論文を書き、無事修士課程を修了することができました。
大学院修了後は大学で非常勤講師を何年か続け、任期付きの講師をした後に、国際交流基金の日本語教育専門家としてタイの地方大学に赴任したのがタイとの出会いです。日本語が話されていない環境で、同じ母語を持つ学習者集団に対して日本語を教えたのは初めてで、教師として非常に有意義な経験だったと思います。また、授業の他にも、カリキュラム改定、シラバス作成、タイ人教師の支援、日本の大学との交換協定締結、学生の日本への送り出し、教師会等々日本ではしたことのない様々な業務も行いました。もちろんものの考え方や感じ方の違いから違和感を覚えたことはありますが、この2年間は中身の詰まった思い出深いものとなりました。これからも研究会活動や研究等、何らかの形でタイとは関わっていけたらと思っています。