2010年3月23日 タイ国日本語教育研究会第22回年次セミナーの報告
「タイの日本語教育研究支援サイト『にほんごかけはし』の可能性
―留学生がタイで学んだことと日本で学んでいること―」
タイ国日本語教育研究会 第22回年次セミナーで、Webサイト「にほんご かけはし」とタイ人留学生へのインタビュー・プロジェクトについて発表しました!
2010年3月23日にバンコクのソーソートー(泰日経済技術振興協会付属語学学校)で行われたタイ国日本語教育研究会の第22回年次セミナーで、「タイの日本語教育研究支援サイト『にほんごかけはし』の可能性―留学生がタイで学んだことと日本で学んでいること―」というタイトルで発表しました。主な内容は、次の通りです。
1.「にほんご かけはし」について
2007年6月にできた「タイの日本語教育を考える会」と、会のメンバー有志で作成したこのサイト「にほんご かけはし」の趣旨や構成を紹介しました。
2.留学生のインタビュー・プロジェクトのパイロット調査報告
サイト作成グループがサイトのコンテンツとして、取り組んでいるタイ人留学生のインタビュー・プロジェクトのパイロット調査について発表しました。留学生は、タイと日本での日本語学習をふり返って、学習スタイルや教師の教え方の違いに気づき、自分の学習方法や学習観が変化したことを話してくれました。そして、留学生にとっての(タイでの)「概念としての学習」(いい成績をとるために科目として学ぶ)と(日本での)「現実としての学習」(自分で考え、表現する)が見えてきました。本来、外国語を学ぶということは、今までの自分の見方や自分自身を相対化・客体化する、いわゆる「脱(これまでの○○)」という活動なのではないかと私たちは考えています。
3.ミニ・ワークショップ
パイロット調査で見えてきた、日本語学習を現実世界や自分自身と結び付けることは、タイの日本語教育現場でも可能なことであり、また実際に教師が取り組んでいることでもあると考え、会場に来た皆さんと意見交換や取り組みの経験を共有するミニ・ワークショップを行いました。5つのグループ(各グループ4,5人程度)で話し合い、以下のような経験の共有ができました。
・日本人ビジターを招いた交流活動
・なりきりロールプレイ
・同じタイ人でも学校や出身が異なる学習者との交流
・(成績を気にする学習者には)内容重視の評価の観点を具体的に示す
私たちの発表には約20人の日本人、タイ人教師の皆さんが聞きに来てくださいました。パイロット調査についてもさまざまな観点から質問・疑問や意見が出され、これからの本調査に向けて大変参考になりました。貴重なコメントやアドバイスをくださった皆さん、本当にありがとうございました。
タイ国日本語教育研究会 第22回年次セミナーのリンク
http://www.geocities.jp/thai_nihongo/pastdata/meet2009.html
(私たちの当日配布資料も見られます。)